こんにちは、TORAIZ イングリッシュコンサルタントのYukiです!
英語学習をしていると、「読めるのに話せない」「聞けても言葉が出てこない」と感じたことはありませんか?その悩み、実は“リテリング”で解決できるかもしれません。リテリングとは、自分の言葉で内容を言い直すトレーニング。簡単そうに見えて、英語力の土台をしっかり鍛えられる学習法です。
本記事では、リテリングの効果と実践法をわかりやすくご紹介します。
リテリングってなに?
リテリングとは、聞いたり読んだりした英語の内容を、自分の言葉で言い直すことです。
ただの暗記や要約ではなく、「内容を理解し」「構成を整理し」「自然な表現で伝える」プロセスを含みます。
学習効果
理解力が深まる:内容を自分の頭で咀嚼する必要があるため
記憶に残りやすい:能動的に使うことで記憶が定着する
話す力・書く力がつく:語彙や表現を自分のものとして使えるようになる
例えば、ニュース英語で「カーボンニュートラル」についてのトピックを読んだ後、その内容を友達に説明するように英語で言ってみます。言葉に詰まるところは辞書で調べ、表現をカスタマイズすることで、自分の言葉になっていきます。
初心者でもできる!実践的な3ステップ練習法
リテリングは、特別な教材や高い英語力がなくても始められるシンプルなトレーニングです。必要なのは、短めの英語素材と少しの時間、そして「完璧を目指さず、まずやってみる」という気持ちだけ。このセクションでは、初心者にも取り組みやすい3つのステップと、より効果的に進めるための具体的な方法を解説します。
インプットする
まずは、短くて理解しやすい英文素材を選んで読んだり聞いたりします。
ここではBreaking News Englishより、大阪万博のニュースを例に挙げたいと思います。
English News Lessons: Free 27-Page lesson plan / 2-page mini…
The Reading / Listening – Osaka Expo – Level 3
The Osaka Expo 2025 opened on Sunday in Japan. People from many countries will visit the Expo before it ends in October. The organizers hope more than 28 million visitors will go to it. A World Expo is an event that brings together people from all over the world. The first one was called the Great Exhibition. It took place in London in 1851. World Expos hope to find answers to some of the world’s biggest problems. The Osaka Expo showcases the culture, history and economy of 158 countries. The theme is “Creating a future society for our lives.” At the U.S. and Chinese pavilions, people can see exhibits on space travel. The Italian pavilion has exhibits on architecture, art, and environmental design.
The Osaka Expo is taking place on an artificial island in Osaka Bay. The 80 pavilions are housed in a giant, round wooden building called the Grand Ring. Guinness World Records said the building is the world’s “largest wooden architectural structure”. It is 20 metres high and has a 2-kilometre circumference. A one-day ticket for adults costs ¥7,500, which is about $52. Visitors will get to see many aspects of Japanese culture. There are exhibits on high-tech robots and flying cars, and on Hello Kitty and Gundam. Visitors will also see the Expo mascot. This is a mysterious creature called Myaku-Myaku. It has a blue face and many red eyeballs. It is good at finding rainbows.
学習のポイント
・内容をすべて完璧に理解しようとしない
・文法や単語にこだわりすぎず、大意をつかむことを重視する
・音声の場合は、何度か聞いて話の流れをつかむ
余裕があれば音読してみると、リズムや語順の感覚も身につきます!
要点整理をする
聞いた/読んだ内容を、自分の言葉でまとめられるように下準備をします。
メモの取り方の例
・登場人物/テーマ/場所/出来事の順にキーワードを箇条書き
・「誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どうした」を意識してメモ
・英語でも日本語でもOK(慣れてきたら英語で)
学習のポイント
・すべての文を記録しようとしない
・“自分が再構成できるレベル”で情報をまとめる
覚えているもの・思いつくものをざざっと箇条書きにしていきましょう。
Expo opened: Sunday, Osaka, Japan
Ends: October
Visitors expected: 28 million
Purpose: Solve global problems, show culture/history/economy (158 countries)
Theme: “Creating a future society for our lives”
U.S./China: space travel
Italy: art, architecture, environment
Venue: artificial island, Osaka Bay
Building: Grand Ring → biggest wooden structure (Guinness World Record)
Height: 20m / Circumference: 2km
Ticket: ¥7,500 = $52
Japanese culture: robots, flying cars, Hello Kitty, Gundam
Mascot: Myaku-Myaku → blue face, red eyeballs, finds rainbows
またこのように簡単な図やフローチャートにすると、話の流れがより整理しやすくオススメです。
【概要】└─ 日程: 開始→日曜、終了→10月└─ 観客数: 2800万人予定└─ 場所: 大阪湾の人工島【展示内容】├─ 世界の展示(158カ国)│ ├─ アメリカ/中国: 宇宙技術│ └─ イタリア: 芸術・環境デザイン└─ 日本文化: ロボット、空飛ぶ車、ハローキティ、ガンダム【特徴】├─ 会場: Grand Ring(木造、ギネス記録)├─ チケット: ¥7,500($52)└─ マスコット: Myaku-Myaku(青い顔、赤い目、虹探しが得意)
このように時系列・テーマ別・場所別などで整理することで、リテリングしやすくなります。
リテリングする
いよいよ、自分の言葉で内容を再現してみましょう!
要点だけを簡潔にまとめて、短いスピーチにしてみます。この時、3文で要約できるようにまとめ方を意識していきます。初級者向けと中級者向けの2パターンをご紹介します。
初級者向けポイント
・短くてシンプルな文を使う
・文1文=1つの情報を意識する・内容はすべて完璧にしようとしない
・難しい単語は使わず、基本語で書く (例:start,show,people,big,many)
・詳しい数字や背景よりも、「何が起きたか」を重視
The Osaka Expo 2025 started in Japan and will finish in October.
People from many countries can see exhibits about culture, space, art, and technology.
The Expo has Japanese robots, flying cars, and a funny mascot called Myaku-Myaku.2025年の大阪万博が日本で始まり、10月まで行われます。
多くの国の人々が、文化や宇宙、芸術、技術についての展示を見ることができます。
万博では、日本のロボットや空飛ぶ車、そして「ミャクミャク」というおもしろいマスコットも登場します。
・重要な情報を取捨選択(全てを詰め込まない)
・関連情報をグループ化して1文にまとめる(例:展示内容 → 文化、技術、課題解決)
・つなぎ表現や段落構成を使い、文に流れを作る
The Osaka Expo 2025 opened in Japan and is expected to attract over 28 million visitors before it ends in October.
It features exhibits from 158 countries, showcasing culture, technology, and solutions to global problems, with highlights like space travel, art, and environmental design.
Held in a massive wooden structure on an artificial island, the Expo also presents Japanese innovations and pop culture, including robots, Gundam, and the mascot Myaku-Myaku.2025年の大阪万博が日本で開幕し、10月の終了までに2,800万人以上の来場が見込まれています。
158か国からの展示があり、文化や技術、世界的な課題への解決策を紹介しており、宇宙開発、芸術、環境デザインなどが見どころです。
人工島にある巨大な木造建築内で開催され、日本の技術革新やポップカルチャーも展示されており、ロボットやガンダム、そしてマスコットの「ミャクミャク」も登場します。
初級者と中級者では、要約における「言葉の選び方」「文の構成」「情報の取捨選択」が異なります。それぞれのレベルに応じた要約のポイントとコツをおさえながら、このように、インプット → 要点整理 → 自分の言葉でのリテリングを繰り返すことで、内容理解・構成力・表現力が同時に鍛えられます。
「うまく言えない…」を乗り越えるコツ
うまく思い出せない
「さっき読んだ内容なのに、何も思い出せない」「最初の1文すら出てこない…」
そんな時は、キーワードだけで練習 → 徐々に内容を広げる練習をしましょう。はじめは全文を覚える必要はありません。まずは「重要な単語(キーワード)」だけを拾い出して、それをもとに話す練習をしてみましょう。
・キーワードだけをメモ:expo, Japan, 158 countries, future society, space, robots, Myaku-Myaku
このメモをもとに、例えばこんなふうに言ってみます。
“There is an expo in Japan. 158 countries are there. The theme is about the future. I remember space, robots, and a character called Myaku-Myaku.”
完全な文でなくてもOK!「内容を思い出して、自分の言葉で表現しようとする」ことが最優先です。
話すのが怖い/声に出すのが恥ずかしい
「口に出そうとすると緊張する」「自分の英語が変じゃないか気になる」というのも、日本人学習者によくある悩みです。
まずは、録音してみる → 自分の話し方に慣れることを意識しましょう。一人で練習するなら、スマホの録音機能を使うのがおすすめ。自分の英語を客観的に聞くことで、「案外ちゃんと話せてるな」と思えることもあります。
実践例
・音読やリテリングを録音する
・最初は10秒でもOK。慣れたら30秒→1分へる
・録音を聞いて「言い直したいところ」「良かったところ」を一言メモ
録音は「うまく言う」ためではなく、「慣れる」ためのツールです。
英語の表現が出てこない
「言いたいことはあるのに、英語でどう言えばいいのかわからない」
その場合は、一度日本語で整理 → 辞書やAIで表現を探す練習を重ねましょう。自分が話したいことを一度日本語で書き出してみると、「何が言えないのか」が明確になります。その上で、英和辞典やChatGPTなどのツールを使って、言いたい内容に合う表現を探しましょう。
例
言いたいこと(日本語):「木造で作られた大きな建物がある」
→ 調べた表現:“There is a large wooden building.”
→ リテリングに組み込む:“The Expo is in a large wooden building on an island.”
「知らない=悪」ではありません。言いたいことを探して、言葉にする力をつけていくプロセスが、実は一番大事です。
まとめ
リテリングは、ただの復習法ではありません。インプットした英語をアウトプットに変える、まさに橋渡しのような存在です。語彙力や文法だけでは話せるようになりません。だからこそ、リテリングで「自分の言葉」として使える英語を育てていきましょう。毎日の学習に取り入れれば、英語力が確実に変わっていきます。
ではまた次の記事でお会いしましょう!