こんにちは、TORAIZ イングリッシュコンサルタントのYukiです!
「子どもには小さいうちから英語に触れさせたい」「将来、英語で困らないようにしてあげたい」
こうした思いから、英語教室やオンライン英会話、教材などを取り入れるご家庭も年々増えています。
しかし、せっかく始めても「やらされている」と子どもが感じてしまうと、楽しさよりもプレッシャーが勝ち、学習が続かなくなることも少なくありません。特に幼児〜小学生低学年は、「楽しいかどうか」が継続のカギ。
英語はテストのためだけでなく、「人とつながるための道具」です。だからこそ、小さい頃から英語を「遊びや日常の中で自然に使う」経験を積むことで、英語=楽しいものという感覚が根づきます。
この記事では、習い事や学校の授業を受けさせっぱなしで終わることのないよう、家庭の中でできる「英語が好きになる環境づくり」の工夫を3つの視点からご紹介します。今日からできる小さなアクションばかりですので、ぜひ試してみてください。
日常の中に英語をさりげなく取り入れる
子どもにとって英語が「特別な時間だけのもの」だと、その時間以外は頭から英語が消えてしまいます。
一方で、普段の生活に英語が少しずつ混ざっていれば、英語を聞いたり話したりすることが自然になります。
大切なのは、長時間やることではなく、「日常の中で1日数秒〜数分、自然に英語が聞こえる・使える状況を作る」ことです。
朝や帰宅時のあいさつを英語にしてみる
あいさつは毎日必ず交わす言葉なので、最も取り入れやすく、効果も大きい方法です。朝起きたとき、学校や幼稚園から帰ってきたとき、寝る前など、シチュエーションごとに英語のあいさつを使い分けましょう。
会話例①(朝)
親:”Good morning, sleepyhead!”
子:”Good morning!”
親:”Did you have a good dream?”
子:”Yes!”会話例②(帰宅時)
親:”Hi! Welcome home!”
子:”Hi!”
親:”Did you have fun today?”
子:”Yes, we played soccer!”
大事なのは発音の完璧さよりも、笑顔とやわらかい声かけ。子どもは言葉だけでなく、そのときの雰囲気も記憶します。短い会話でも、毎日続けると自然と口から英語が出るようになっていきます。
食事中に英語で食べ物を言ってみる
食事は一日で必ず訪れる時間なので、英語を取り入れるチャンスが豊富です。特に「食べ物の名前」や「好き・嫌い」の表現は日常的に使えるため、覚えやすく忘れにくいのが特徴。
最初から全て英語にする必要はなく、まずは1〜2品だけ英語で紹介するのがおすすめです。単語だけでなく簡単な文にすると、自然に文法のパターンも身につきます。
会話例①(朝食)
親:”Look! This is toast. Do you like toast?”
子:”Yes! I like toast.”
親:”Do you want jam or butter?”
子:”Jam please!”会話例②(夕食)
親:”Here’s some rice”
子:”Rice!”
親:”Do you want more rice?”
子:”Yes, please”会話例③(苦手な食べ物)
親:”This is broccoli. Do you like broccoli?”
子:”No…”
親:”Oh, me neither! But it’s good for you”と笑いながら会話を続ける
大事なのは、正しい英語にこだわりすぎず、「食べ物=英語でも言える」という感覚を自然に育てることです。毎日の食卓を英語学習の“実践練習場”にすれば、親子で楽しく会話を続けられます。
アクションと結びつけて英語を使う
子どもは動きや状況と一緒に言葉を覚えるのが得意です。そのため、特定の行動と同じ英語フレーズを毎回セットにして使うと、意味を理解する前から自然に記憶に残ります。
同じ場面で同じフレーズを繰り返すと、やがて子どもの方から先に言ってくれるようになります。2〜3ヶ月経つ頃には、行動と英語が自然にリンクし、自分の意思で口に出せるようになるでしょう。
このように「アクション+英語フレーズ」をセットにすれば、英語は机に向かって覚えるものではなく、「体で覚える言葉」になります。
遊びの中で英語を使う
遊びは子どもにとって、最も集中力が高まり、最も吸収が早い時間です。
「机に向かって覚える」より、「遊びの中で覚える」方が、ストレスなく語彙や表現が身につきます。
ここでは、特に効果的で取り入れやすい遊び方を紹介します。
英語の歌で遊ぶ
歌はリズムやメロディーで記憶に残るため、意味がわからなくても口ずさめるようになります。
例えば、
“Head, Shoulders, Knees and Toes”や”The Wheels on the Bus”
などのアクション付きソングは、体を動かしながら歌えるので楽しさが倍増します。
体験談:
3歳の娘さんを育てるお母さんは、毎晩寝る前に“Twinkle, Twinkle, Little Star”を一緒に歌うのを習慣にしていました。歌うときは、手をキラキラと振って星を表現したり、両手を大きく広げて夜空の広さを表したりと、簡単な動きを加えていました。ある日、夕方の買い物帰りに夜空を見上げた娘さんが、突然小さな声で「Twinkle, twinkle, little star〜♪」と歌い始め、星を見ながら手をキラキラさせたのです。お母さんは思わず立ち止まり、「ほんとに覚えてたんだね!」と感動。歌と動きが結びつくことで、家の中だけでなく外の景色ともリンクし、英語の歌が自然に子どもの中に根付いていった瞬間でした。
英語絵本の読み聞かせをする
英語に初めて触れる子どもには、繰り返し表現の多い絵本がおすすめです。例えば、
“Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?”(色と動物の名前が自然に覚えられる)
“Dear Zoo”(動物の名前+“I sent him back”などの繰り返しで、展開を予想する楽しさがある)
“The Very Hungry Caterpillar”(曜日や食べ物、数が繰り返し登場し、成長の物語も楽しめる)
こうした絵本は、同じフレーズが何度も出てくるため、意味が分からなくても耳でリズムや音を覚えやすく、「あ、次はあの言葉がくる!」という予想もできるようになります。
体験談:
5歳の息子さんに”Dear Zoo”を毎晩読み聞かせていたお父さん。最初はじっと聞くだけでしたが、3週間ほど経つと、ページをめくる前に”He was too big!”と先に言うようになりました。繰り返し表現があると、子どもが物語の一部を“自分の言葉”として使えるようになる瞬間が訪れます。
読み聞かせのコツ
- 抑揚をつけて読む(登場キャラクターごとに声色を変えるのも効果的)
- 絵を指差しながら読む(視覚と音がリンクして記憶に残りやすい)
- 日本語訳をすぐに言わず、「What do you think this is?」などと子どもに推測させる
- ページをめくる前に「What’s next?」と問いかけて、次の展開を予想させる
英語でゲームをする
英語は机に向かうだけでなく、遊びの中で使うと一気に身近になります。特にすごろくやカードゲームは進行や指示を英語で行うことで、自然に日常表現が身につきます。例えば、
“It’s your turn!”(あなたの番だよ)
“Go back two steps!”(2マス戻って!)
“You win!”(君の勝ち!)
また、家の中でできる「英語かくれんぼ」もおすすめです。ルールは簡単。親が”Find something red!”(赤いものを見つけて!)と指示し、子どもが赤い物を持ってきて英語で名前を言えたらポイント獲得。単語が思い出せなければ、親が教えてあげてOKです。
“Find something round!”(丸いものを見つけて!)
“Find something soft!”(柔らかいものを見つけて!)
“Find something that starts with ‘B’!”(Bで始まるものを見つけて!)
体験談:
6歳の息子さんを持つお母さんは、雨の日に「英語かくれんぼ」をよくしていました。ある日、”Find something yellow!”と言うと、息子さんがキッチンからバナナを持ってきて、”Banana!”と得意げに発音。そこから”I like banana!”と自己表現まで発展しました。お母さんは「ゲーム感覚だから英語を勉強と感じていないようで、どんどん口から出るようになった」と実感。遊びながら英語を使うことで、自然にアウトプットの機会が増えていきます。
親子で「できた!」を共有する
子どもは「できた!」という体験が大好きです。そして、その喜びを大切な人に共感してもらうと、さらに自信に変わります。これは英語学習でもまったく同じ。
「前より少し発音がきれいになった」「昨日より長い文章を言えた」など、小さな進歩を一緒に喜ぶことで、学習そのものがポジティブな思い出になります。親が「努力を見ているよ」「ちゃんと成長しているね」と伝えることで、子どもは「もっとやってみたい!」と自然に意欲を高めていきます。継続の最大の原動力は親子での成功体験の共有なのです。
小さな達成をその場で褒める
子どもの成長は大人から見ると小さな変化に見えても、本人にとっては大きな一歩です。たとえば、
“cat”を”kat”ではなく正しい発音で言えた
前は”apple”だけだったのが”I like apples.”と文章で言えた
歌のフレーズを最後まで覚えられた
そんな瞬間を見逃さず、その場ですぐに褒めることが大切です。
“Great! Wow, that’s amazing! You did it!など英語で褒めれば、学んだ言葉とポジティブな感情が結びつき、記憶にも残りやすくなります。
体験談:
あるお母さんは、5歳の娘さんが”Good morning!”を初めて自然に口にしたときに、”Wow, that’s amazing! You said it so well!”と笑顔で抱きしめました。娘さんはとても嬉しそうに、その日一日中”Good morning!”を繰り返していたそうです。小さな一言でも、大げさに喜ぶことで子どもは「もっと言いたい!」と感じるのです。
週末ミニ発表会をする
子どものやる気を大きく引き出すのが人前で発表する体験です。週末にちょっとしたミニ発表会を開き、1週間で覚えた単語や歌を披露してもらいましょう。
兄弟や祖父母が観客になれば、子どもは「聞いてもらえる!」というワクワク感を持てます。終わったら「よくがんばったね」と拍手し、ご褒美に好きな遊びやおやつを用意すると習慣化しやすくなります。
体験談:
あるご家庭では、毎週日曜の夜に”Family English Time”と題した発表会を行っています。6歳の息子さんが英語の歌を歌い、3歳の妹さんが覚えた単語を発表。祖父母もオンラインで参加し、”Clap, clap, clap!”と手を叩いて大喜びしてくれます。息子さんは「次はもっとたくさん歌えるようにしたい!」と自ら練習するようになったそうです。発表の場は、学びを成果として実感できる貴重な時間です。
成長記録を一緒に振り返る
まとめ
英語を身につけるには、長い時間がかかります。だからこそ、無理に詰め込むのではなく、日常の中で少しずつ「英語がある暮らし」を作っていくことが大切です。
遊びや会話、日々の小さな成功体験が、子どもの「英語が好き!」という気持ちを育てます。
そして何より、親が楽しんで取り組む姿こそが、子どもにとって最高の教材になります。
ではまた次の記事でお会いしましょう!