こんにちは、TORAIZ イングリッシュコンサルタントのYukiです!
英語を学んでいると、多くの人が必ず一度はぶつかる壁があります。
それは「間違えるのが怖い」という気持ちです。単語の使い方を間違えたり、文法を誤ったり、発音がうまく通じなかったりすると、「恥ずかしい」「もう発言したくない」と感じてしまう。特に日本人は学校教育の影響で「正解・不正解」を強く意識してきたため、「完璧に話さなければいけない」という思い込みを抱えがちです。
しかし実際の英語学習では、完璧を求めすぎることこそが上達の妨げになります。大切なのは、多少の間違いを恐れずに使ってみる勇気、そして「自分はできる」と思える小さな自信を積み重ねることです。
本記事では、なぜ完璧主義が英語学習を邪魔してしまうのか、そして自己肯定感を育てることでどのように学びが加速するのかを解説します。さらに、すぐに実践できる方法もご紹介しますので、ぜひ明日からの学習に役立ててみてください。
「完璧主義」が英語学習を邪魔する理由
「文法を間違えたらどうしよう」「ネイティブのように話せなければ恥ずかしい」そんな気持ちから、英語を口にする前にブレーキを踏んでしまった経験はありませんか?
実は、その完璧を求める心こそが英語学習を遅らせる最大の要因なのです。ここでは、完璧主義がどのように学習を邪魔するのかを見ていきましょう。
間違えないことを重視する日本の学習文化
日本の学校教育では、英語は「テスト科目」として学ばれることが多いです。答案用紙には必ず正解と不正解があり、点数化されます。そのため「正しい答えを言わなければならない」という考え方が強く根付いています。
ところが、実際のコミュニケーションでは「多少の間違いがあっても通じればOK」という場面がほとんどです。文法が100%正しくなくても、相手は意図を理解してくれます。それでも「間違ったら恥ずかしい」という気持ちが強いと、言葉が口から出てこなくなってしまいます。
完璧を目指すほど口が重くなる
完璧主義の学習者にありがちな行動パターンがあります。
こうしたケースは珍しくありません。実際、ある英語学習者の方は「文法を間違えたら笑われるのでは」と恐れて、数年間も話す練習を避けていました。しかし思い切って「多少間違えてもいい」と割り切り、簡単なフレーズから使い始めたところ、半年で会話力が大きく伸びたのです。
間違いを恐れる心理メカニズム
人が間違いを恐れる背景には、心理的な要因があります。人は「失敗=自分の能力不足」と感じやすく、特に大人になると「恥をかきたくない」という防衛本能が働きます。これにより挑戦そのものを避けてしまい、結果的に成長の機会を逃すのです。
英語学習においても、間違いは「成長の証」。それを恐れて黙ってしまうことこそが、最大の障害となります。
自己肯定感が英語力を後押しする
「どうせ自分には無理」と思う人と、「少しずつならできる」と信じる人。英語学習の進み方は、この心の持ち方によって大きく変わります。自己肯定感は単なる気分ではなく、学習の継続力や成果を左右するカギです。ここからは、自己肯定感が英語力にどのように影響するのかを解説します。
自己肯定感とは何か
自己肯定感とは「自分は価値のある存在だ」「自分にはできることがある」という感覚を指します。これが高い人は、新しい挑戦に前向きで、多少の失敗も学びの一部として受け止められます。
英語学習においても自己肯定感は大きな役割を果たします。間違いを「恥ずかしい失敗」ではなく「成長のステップ」と捉えることで、実際に発言する回数が増え、上達が早まるのです。
小さな成功体験が積み重なるとき
自己肯定感は一気に高まるものではなく、小さな成功体験の積み重ねで育っていきます。
たとえば
こうした小さな経験を「できた!」と意識的に振り返ることで、「自分にも英語は話せるんだ」という感覚が強まり、次の挑戦につながります。
体験談:
ある受講生のAさん(30代・会社員)は、最初の頃「発音が悪いから笑われるのでは」と強い不安を抱えていました。オンライン英会話でも、講師に質問されると頭の中で何度も文を組み立てているうちに時間が過ぎてしまい、結局「Yes」「No」しか答えられないことが続きました。授業後には「やっぱり自分は英語に向いていない」と自己否定してしまう日々が続いていたのです。
ところがある日、思い切って「I go supermarket yesterday.」と間違った時制で話してしまいました。Aさんは顔が赤くなるほど恥ずかしかったそうですが、講師は笑うことなく”You mean, “I went to the supermarket yesterday,” right? Great! You tried to make a full sentence.”と優しく訂正しながら褒めてくれました。この体験がAさんにとって大きな転機となりました。
「文法は間違えたけれど、ちゃんと伝わった。しかも相手が正しい言い方を教えてくれた」と気づいたAさんは、以降「とにかく声に出す」ことを意識するようになりました。次第に「伝わった!」という小さな成功体験が積み重なり、2カ月後には職場に来ていた外国人の同僚に勇気を出して “How was your weekend?” と声をかけられるようになりました。
「間違いを恐れずに成功体験を積む」ための実践法
完璧主義を手放し、自己肯定感を育てることの大切さは理解できても、「では具体的にどう行動すればいいのか?」と迷う人は多いはずです。ここでは、英語学習を前に進めるために有効な3つの実践法をご紹介します。大切なのは、結果を急ぐのではなく「小さな行動をどう積み重ねるか」です。
「小さなゴール」を設定し、確実に達成する
英語学習を続けられない最大の理由は、「目標が大きすぎて現実感がない」ことです。例えば「半年後には英語で会議をリードできるようになりたい」と思っても、日々の勉強とのギャップに圧倒されて挫折してしまいます。
そのためには、“小さなゴール”を細かく刻むことが効果的です。
こうしたゴールなら1分〜3分で達成でき、忙しい人でも続けやすい。重要なのは「今日はこれができた」という事実を毎日作ることです。ゴールが小さいほど達成率は上がり、それが自己肯定感を押し上げてくれます。
成果を「記録」と「フィードバック」で可視化する
どんなに小さな成功体験も、記録しなければ忘れてしまいます。そこでおすすめなのが 学習ログをつけること。スマホのメモに「今日言えたフレーズ」「新しく知った単語」を残すだけでも構いません。数週間後に振り返ると、自分の積み上げに驚くはずです。
さらに、他者からのフィードバックは大きな後押しになります。独学では「自分は本当に成長しているのか」が見えにくいものですが、講師や学習仲間に「発音がクリアになってきましたね」「自然な表現が増えましたよ」と言われると、自信は一気に高まります。
ある学習者Bさんは、毎回のオンラインレッスンで「ナチュラルに言えた表現」と「直すべき表現」を講師にまとめてもらいました。最初は “He recommend me this book.” と三単現を間違いて言ってしまっていましたが、記録を重ねるうちに “He recommends this book to me.” が自然に出てくるようになりました。
また別の学習者Cさんは、発音で大きな成長を感じたケースです。Cさんは “think” をいつも “sink” と発音してしまい、ネイティブに通じず苦労していました。しかし講師から「舌を軽く歯に当てて、空気を抜くように」と具体的なアドバイスを受け、毎回レッスン後に自分の声を録音してチェックするようにしました。最初は自分の録音を聞いて「全然できていない」と落ち込みましたが、1カ月後に改めて聞き比べたとき、確実に “think” と “sink” の違いを発音できている自分に気づき、大きな自信を得られたのです。
このように、記録とフィードバックは「できない自分」から「成長している自分」への変化を見える化し、モチベーションを継続させる強力な武器になります。
マインドセットを「間違い=財産」に変える
まとめ
英語学習を続ける中で、多くの人が「間違えるのが怖い」という心理に直面します。しかし完璧主義は成長の大きな妨げになり、挑戦する機会を奪ってしまいます。大切なのは、小さな成功体験を積み重ねて自己肯定感を高めること。そうすれば、間違いを恐れる気持ちは自然と和らぎ、学びが加速します。
今日からできることはシンプルです。1日1フレーズでも構いません。小さく始め、できた自分を認める。たったそれだけで、英語学習はもっと前向きで楽しいものに変わります。