こんにちは、TORAIZ イングリッシュコンサルタントのYukiです!
外資系企業への転職を成功させるには、英語力が欠かせません。しかし、「どのくらいの英語力が必要なのか?」「どんなスキルを身につければいいのか?」と疑問に思う人も多いでしょう。本記事では、実際に外資系企業に転職した人たちがどのような英語スキルを習得し、どのレベルの英語力を持っていたのかを詳しく解説します。
外資系企業で求められる英語力とは?
外資系企業といっても、求められる英語力は職種や企業文化によって異なります。一般的に、以下のようなレベルが求められます。
TOEIC 730点~800点:
ビジネスシーンにおける基本的なコミュニケーション能力。
短い会議での発言や、簡単なプレゼンテーションを行うことができるレベル。
ビジネスシーンでよく使われる定型表現を理解し、ある程度スムーズに会話を行うことができる。
日常会話に加え、ビジネス関連のメールや文書の読み書きが可能。
TOEIC 800点~900点:
ビジネス上の交渉や、複雑な内容の会議にも対応できるレベル。
専門分野に関する議論やプレゼンテーションを、英語で行うことができる。
ネイティブスピーカーとの会話も、比較的スムーズに行うことができる。
TOEIC 900点以上:
ネイティブスピーカーと同等の、高度な英語力。
ビジネス上のあらゆる場面において、問題なくコミュニケーションを行うことができる。
高度な議論や複雑な説明を、状況に応じた適切な表現やユーモアを交えて行うことができる。
専門分野における高度な知識や交渉力。
企業によっては「英語ができる人材=すぐに採用」というわけではく、「英語+専門スキル」が重視されます。そのため、英語力を高めつつ、専門分野の知識を英語で説明できるようにすることが大前提です。また、「実践的なスキル」を重視する企業が多いため、TOEICスコアを達成するだけでなく、実際に英語を使う機会を増やすことも大切です。
転職成功者が身に着けているスキルとその学習法は?
ライティング:簡潔かつプロフェッショナルな英文を書く
ビジネスEメールの基本を学ぶ
“I am writing to inquire about…”~についてお問い合わせしたく、ご連絡いたしました。)
“Please find the attached document for your reference.”(ご参考までに、添付資料をご確認ください。)
などの、メールでの敬語表現や定型フレーズを覚える。
英文レポート・プレゼン資料作成の練習をする
ロジカルに書く:結論(Conclusion)→ 理由(Reason)→ 具体例(Example)の順に整理する。
例えばテーマが「在宅勤務の導入」の場合
Conclusion(結論):
We should continue allowing remote work.
(私たちは在宅勤務を継続すべきです。)Reason(理由):
It helps employees maintain a better work-life balance.
(それは従業員がより良いワークライフバランスを保つのに役立ちます。)Example(具体例):
For example, a recent internal survey showed that 80% of our staff felt less stressed when working from home.
(たとえば、最近の社内調査では、従業員の80%が在宅勤務中の方がストレスが少ないと回答しました。)
結論→理由→具体例の順で展開することにより、聞き手・読み手が内容を理解しやすく、論理的な印象を与えることができます。更に先に結論を定めておくことで、自分の主張を見失わず説得力のある伝え方ができるのも大きなメリットです。
電話対応・会議英語:聞く力と即応力を鍛える
よく使うフレーズを暗記する
“Could you elaborate on that?”(もう少し詳しく説明してもらえますか?)
“I’ll get back to you with the answer later.”(後ほど回答させていただきます。)
などのフレーズを使いこなす。
音声教材を活用する
日本語訳が載っている英語教材でビジネス英語を毎日聞き、シャドーイングをする。
※実際の場面を思い浮かべながら、要約までできるようになりましょう。
以下にフレーズ暗記やシャドーイングにおすすめの教材(全て音声はアプリで入手可能)をいくつかご紹介します。リンク先で詳しい解説をご覧いただけます。
◆(フレーズ:初級者向け)オンライン会議を成功させる実用フレーズ辞典[音声DL付]◆
◆(フレーズ中級者以上向け)ビジネス英会話 高速変換トレーニング◆
◆(シャドーイング:初級者向け)【音声DL付】改訂版 究極のビジネス英語リスニング Vol.1◆
◆(シャドーイング:中級者以上向け)新装版 即戦力がつくビジネス英会話[音声DL付]◆
プレゼンテーションスキル:説得力のある話し方を身につける
プレゼン構成の型を学ぶ
PREP法:(Point→Reason→Example→Point)で話を整理する。
Point(結論): 最初に、最も伝えたい結論を述べます。
Reason(理由): 結論に至った理由を説明します。
Example(具体例): 理由を具体的に説明するための事例やデータを示します。
Point(結論): 最後に、再び結論を述べ、話の要点を強調します。
PREP法は、プレゼンテーション、報告書、メールなど、様々なビジネスシーンで活用できます。この手法を習得することで、相手に分かりやすく、説得力のあるコミュニケーションを実現できます。
ジェスチャーと話し方を盗む
TED Talksなどのスピーカーを真似る:話し方や表情の使い方を研究する。
英語のイントネーションを意識する:強調するべき単語を意識して話す。
以下におすすめのTED Talksを紹介します。
◆(初級者向け)「やり抜く力:情熱と忍耐の力」アンジェラ・ダックワース◆
◆(中級者以上向け)「より良い会話をするための10の方法」セレステ・ヘドリー◆
◆(中級者以上向け)「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」サイモン・シネック◆
実際にスピーキング練習を行う
録音して自分の話し方を確認する:スマホの録音機能やSpeakVizを活用。
オンライン英会話でプレゼンを実践する:英語で数分間スピーチをする習慣をつける。
※SpeakVizは下記「英語面接」対策でも紹介しています。オンライン英会話はビジネス英語を展開しているところを選び、週3回ほどのペースでなるべく同じ先生にフィードバックをもらうことで上達が見込めるでしょう。
転職成功者の英語力は?
外資系企業に転職した人たちの英語力は、必ずしも「完璧なネイティブ並み」ではありません。成功者たちは、以下のようなスキルセットを持っていました。
流暢でなくても伝わる英語を話せる
外資系企業では、ペラペラと話すことよりも「相手に正確に伝わる英語」が重要です。多くの転職成功者は、シンプルで分かりやすい表現を使い、会話の明瞭さを意識していました。
シンプルな文法を使用する
複雑な構文を使わず、短くわかりやすい文章を意識することが大切です。例えば、
“より良い結果を得るために、生産性を向上させる必要があります。”という文も、
✕”In order to achieve better results, it is necessary that we should enhance our productivity.”
〇”We need to improve productivity to get better results.”
不要な単語を削ることで、後者のほうがより明瞭なメッセージになります。
ジェスチャーや視覚的要素を活用する
言葉だけで伝わらない場合、図やスライド、身振り手振りを使って補足することで、相手の理解度が上がります。我々日本人には時として「大げさ」に映ってしまう欧米のボディーランゲージですが、伝わることに重きを置いた文化的背景が英語にはあると言えるでしょう。
間をうまく活用する
早口になりすぎず、適度に間をとることで、相手に内容を整理する時間を与えます。特に日本人英語学習者は緊張すると早口になってしまったり、soを連発してしまう傾向があるので意識していきましょう。
リスニング力を鍛え、相手の意図を正確に理解できる
英語での会話では、自分が話すこと以上に、相手の話を正確に理解することが重要です。特に外資系企業では、多様なアクセントや話し方に慣れる必要があります。
キーワードを意識して聞く
すべての単語を完璧に聞き取ろうとせず、「重要な単語」に集中することで、全体の意味をつかみやすくなります。
“Let’s schedule a follow-up meeting to discuss next steps.”
(次のステップについて話し合うために、フォローアップミーティングをスケジュールしましょう。)
→「schedule」「follow-up meeting」「next steps」などのキーワードに注目すると、内容が把握しやすくなります。
聞き返しのフレーズを活用する
“Could you say that again in a different way?”(別の言い方で説明していただけますか?)
“Just to confirm, you mean ~, correct?”(確認ですが、~ということですね?)
こういったフレーズを習慣化すると、焦らずに対応できるようになります。
異なるアクセントに慣れる
外資系企業では、アメリカ英語、イギリス英語、インド英語など、さまざまなアクセントを持つ人と話す機会があります。先に紹介したTED Talksやニュース番組(BBC, CNN,Aljazeeraなど)を活用し、異なる英語の発音に慣れると実践で役立ちます。
長々と話さず、簡潔で分かりやすい英語を使える
長く話しすぎると、相手が内容を理解しづらくなります。成功者たちは、シンプルで要点を押さえたコミュニケーションを意識していました。
結論→理由→補足の順番で話す
✕”Well, the reason I think this strategy might work is because we have been seeing some improvements in our market share recently, and if we continue this trend, I believe we can expand into new markets as well.”
(ええと、この戦略がうまくいくかもしれない理由は、最近市場シェアが向上しているのが見られるからです。そして、この傾向が続けば、新しい市場にも拡大できると思います。)〇”This strategy works because our market share is improving. If this continues, we can expand into new markets.”
(この戦略が有効なのは、市場シェアが向上しているからです。この傾向が続けば、新しい市場に拡大できます。)
ロジカルに書く、というポイントを先にも書きましたが、まず結論を伝えることで、相手にとって分かりやすい話し方になります。
ビジネス英語の定型表現を活用する
“Let’s get straight to the point.”(要点を述べます)
“Here’s what I suggest.”(私の提案はこうです)
“To sum up, …”(まとめると…)
など、決まり文句を使うと、シンプルでわかりやすい会話ができます。
余計な情報を省く
仕事の場面では、話を簡潔にすることが求められます。
✕”I was thinking that maybe we could potentially consider revising the report slightly if that would help in any way.”
(もし何かお役に立てるようでしたら、報告書を少し修正することを検討しても良いのではないかと考えていました。)〇”Let’s revise the report for clarity.”
(報告書を明確にするために修正しましょう。)
前者は不確実性や遠慮を示す言葉が多く、行動に移す決意が感じられないと捉えられてしまう可能性がありますが、後者は明確な提案であり、相手に協力を求めやすい表現です。
TOEICのスコアが高い方も多いですが、TOEICスコアは「真の英語力」に必ずしも直結しません。スコアは外資系企業への転職の入り口に過ぎないことがほとんどです。それ以上に先に述べた「実践的な英語スキル」を持っていることが共通点です。
外資系転職準備に役立つツール3選
外資系企業を目指す人は、単に英語を勉強するのではなく、「仕事で使える英語」にフォーカスし、無駄なく学習することが大切です。具体的には、下記のようなことが挙げられます。オススメのツールも紹介していきますので、合わせてご覧ください。
・英語での職務経歴書(Resume, CV)を準備する
・英語面接の準備を徹底し、自己PRをスムーズに言えるようにする
・仕事に直結する英語を学び、実際に使う機会を増やす
職務経歴書ツール名
ツール名 | ![]() RESUMY.ai |
媒体 | Web |
値段 | 無料 |
おすすめ ポイント | ご自身の経歴やスキルを入力するだけで、適切な表現やフォーマットで履歴書や職務経歴書を自動生成。さまざまな専門職向けのテンプレートが用意されていますので、採用担当者に響く内容を効率的に作成できます。心理学とAIを組み合わせた自己診断ツールでご自身の強みや弱みなどを深く理解し、自己PR文の作成やキャリアの方向性を見つける際の参考にすることもできます。英語での職務経歴書も作成可能。 |
リンク先 | ◆RESUMY.ai公式◆ |
英語面接
ツール名 | ![]() SpeakViz |
媒体 | アプリ(App Storeのみ) |
値段 | 無料(アプリ内課金あり) |
おすすめ ポイント | 自身の経験を元にした個人開発のアプリ。音声認識によるフィードバックで客観的にご自身の回答を見直すことができます。志望動機や自己PRなど、特定の質問に絞って練習することが可能で、最新のバージョンでは、AIを活用したリアルタイムの模擬面接モードが追加され、より実践的な練習を実現しています。日本語と英語の切り替えも自由にできるため、まず日本語で回答を考え、その後英語で練習するといった使い方も可能です。 |
リンク先 | ◆SpeakVizダウンロードページ◆ |
仕事に直結する英語を学び、実際に使う
ツール名 | ![]() POLYGLOTS |
媒体 |
アプリ(App Store/Google Playどちらも可) |
値段 | 月額2,427円~ |
おすすめ ポイント | 「TED Talksレッスン」や「ビジネスシーン別英会話」など、1回10分程度で受講できるコンテンツが豊富に用意されています。忙しいビジネスパーソンでも隙間時間を利用して効果的に学習を進められる仕組みに。AIが個別の学習カリキュラムを作成する「マイレシピ」(月額3,600円)やパーソナルトレーナーのオプション(月額約50,000円)にプラン変更することも可能。 |
リンク先 | ◆POLYGLOTS公式◆ |
この他にも、本格的に英語に本腰を入れたい方のためのコーチングスクール(3か月約500,000円が相場)や、手軽に英会話練習ができるオンライン英会話スクール(月額約10,000円~)、AIと会話練習ができるアプリなど、様々な種類がありますので、ご自身の目的や予算に合わせて選んでいきましょう。
まとめ
外資系企業への転職を成功させた人たちは、単なる英語学習ではなく、実践的な英語スキルを磨いてきました。求められる英語レベルは企業や職種によって異なりますが、共通して「正確に伝える力」「業務での即戦力」「文化的なコミュニケーション理解」が重視される傾向があります。これから外資系転職を目指す人は、TOEICのスコアだけに頼らず、実際の業務を想定した英語のアウトプットや、異文化理解を深める経験を積むことが成功のカギとなるでしょう。
ではまた次の記事でお会いしましょう!